足・足関節の主な疾患
足関節捻挫
症状
足関節(足首)捻挫は、スポーツ外傷の中で最も頻度が高い疾患です。足関節(足首)捻挫のほとんどは、足関節を内側に捻って(内反)生じます。内反捻挫の場合は外くるぶしあたりに痛みや腫れが出現します。
代表的な症状としまして
- ・足首を捻った後から足首の外側の痛みがとれない。特に外くるぶしの前や下を押さえると、痛む
- ・足首の外側に腫れや内出血がある
- ・繰り返し足を捻ってしまう
- ・足関節の不安定性(ゆるさ)がある
上記の症状があれば、一度ご相談ください。
原因
足関節(足首)捻挫の原因は、靭帯が傷ついて内出血を起こし、その部分が腫れてきます。プレー中に足が滑ったり、着地を失敗して足首を捻り、急激な内反が強制され外側にある前距腓靭帯などが、ひき伸ばされたり損傷します。ジャンプの着地時に人の足の上に乗り、足関節の内反が強制されて受傷する場合もあります。スポーツの中でもバレーボールやバスケットボールなどジャンプをする競技に多く見られます。膝などの外傷に比べると、日常生活への支障が軽度の事が多いため、つい軽くみられがちです。そのため不適切な治療や、放置しますと後で痛みを残したり、不安定な(ゆるい)足首となり、治療に難渋することがあります。そのため、早期にきちんとした診断を受け、適切な初期治療を行うことが必要です。
治療方法
急性期(損傷直後~72時間以内)
RICE療法(Rest, Ice, Compression, Elevation)
安静にし、しっかり冷やし、適度に圧迫させ、患部を高く保つことで、炎症や腫れの悪化を抑えることができます。
鎮痛薬
必要に応じて、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンなどの鎮痛薬を使用します。
治癒期(数日後~数週間)
足関節の可動域(ROM)をゆっくりと広げるエクササイズを開始します。円を描くように足首を動かす、足指を曲げたり伸ばしたりする動作などが含まれます。
軽い筋力トレーニング
バンドやチューブを使って、足関節周りの筋肉の力を徐々に回復させます。抵抗に対して足首を内側や外側に動かす動作が効果的です。
バランスとプロプリオセプション(固有知覚)のトレーニング
片足立ちや不安定な表面でのバランス維持など、足関節の安定性を向上させるリハビリテーションを行います。
機能回復期(数週間後~)
より高度な筋力トレーニング
ジャンプやランニングなど、スポーツや日常活動に関連する動作を含む筋力トレーニングを行います。
柔軟性の維持
足関節周りの筋肉や腱の柔軟性を維持し、再発リスクを低減します。
スポーツ固有のトレーニング
本格的なスポーツ復帰に向け、各種目固有の動作やトレーニングメニューを行います。