腰の主な疾患

筋膜性腰痛症

症状

筋膜性腰痛症は、スポーツ活動等によって起こる腰の筋膜や筋肉の負担による腰痛の一種です。決まった動作ではなく、何をしても痛いという症状があらわれます。レントゲンで骨の異常は見られませんが、動きの固さ(柔軟性低下)がわかります。

原因

痛めやすい動作として多いのが、前傾姿勢でなおかつ身体を捻るような姿勢をとったときです。長時間のデスクワークやスポーツ中の無理な体勢、中腰作業などによる慢性的な疲労により、筋肉や筋膜が傷ついたり、特定の筋肉に過剰に負荷がかかってしまいます。それを繰り返していくと、筋肉が固くなり、腰痛の原因となります。

治療方法

筋膜性腰痛の治療では、薬物療法、運動療法、温熱療法、装具療法などが行われます。第一に安静にすることです。痛みの状態をみながら、鎮痛剤や湿布の処方、局所注射を行います。装具療法(コルセットでの患部の固定)も有効です。痛みのピークが落ち着いたら、軽めのストレッチを始め、徐々にリハビリで動きの改善を図ります。

予防

再発を防ぐためにも、腹筋や背筋の筋力トレーニングを行うことが重要です。仕事やスポーツを行う姿勢や動作に原因がある場合は、正しい姿勢を保つことを心がけ、負荷を軽減していくようにしましょう。

腰椎椎間板ヘルニア

症状

椎間板ヘルニアとは、腰部の椎骨と椎骨の間でクッションの役割を果たしている椎間板が変性し、一部が飛びだすことをいいます。腰痛の原因で多くみらるのが椎間板ヘルニアです。主な症状は、お尻や足の痛み・しびれ、動かしにくい、力が入りにくいというものです。痛みやしびれは下半身のどこにでも出る可能性があります。一般的にお尻から太ももの裏側の痛みは坐骨神経痛と呼ばれ、腰のヘルニアの代表的な症状です。

原因

椎間板が損傷してしまう理由は様々ですが、椎間板が加齢とともに早期から老化しやすい組織であることや、二本足歩行により下位腰椎への負担が強くなっていることが、大きな原因であると考えられています。腰椎椎間板ヘルニアの患者さんの年齢は50歳代にピークがあり、喫煙が原因になることもあります。

治療方法

腰椎椎間板ヘルニアの約80%前後は自然経過で軽快するとされています。保存的療法を原則とします。保存的療法としては、腰椎コルセットの装着による安静があり、痛みが軽くなったら、けん引や温熱療法、高周波治療、リハビリを行います。また、痛みが高度の場合には、ブロック注射などの鎮痛を目的とした治療法も行われます。内服薬としては、消炎鎮痛剤やしびれ止めの内服が用いられます。下肢の筋力低下が改善しない方や、疼痛の改善が困難な場合は、手術治療を必要とする場合もあります。

腰椎圧迫骨折

症状

腰椎圧迫骨折とは、腰椎の椎体という部分に外から圧力がかかって起きる骨折のことをいいます。体を動かしたときに激しい腰の痛みが現れます。安静にしているときはそれほど痛みを感じないのが特徴です。症状が進行すると、下肢の痛みやしびれ、麻痺などのヘルニアによく似た症状が見られることもあり、骨粗鬆症が進行しやすい女性に多く見られる疾患です。

原因

基本的には骨の強度が低下することが原因で起こります。骨量の加齢減少ともいえる骨粗鬆症はホルモンバランスが崩れる閉経後の女性に多く、食事・運動・喫煙歴などの生活習慣にも関わりがあります。重度の骨粗鬆症では、日常生活においてくしゃみや物を持った際、同一作業を長時間行った際などの比較的軽微な外力でも骨が潰れ、骨折してしまうことがあります。

治療方法

基本的には、コルセットで腰部を固定し、安静にします。個人差がありますが、2ヵ月程度で症状が軽減する方が多いです。 痛みのコントロールができない場合や、神経症状(麻痺や排尿障害など)が進行する場合は手術が必要となります。

予防

骨粗鬆症が主な要因であるため、これを防ぐことが骨折の予防になります。日頃から適度な運動を行い、丈夫な骨を保つためにも栄養バランスの良い食事を心がけましょう。また日光浴も骨粗鬆症予防におすすめです。

腰部脊柱管狭窄症

症状

腰部脊柱管狭窄症とは、骨や靭帯の肥厚、椎間板の突出などで、脊柱管が狭くなり、脊髄が圧迫され、腰の痛みや脚のしびれなどの症状を起こすものです。この病気では、長い距離を歩くことができません。もっとも特徴的な症状は、歩くとしびれる、休むとよくなる、を繰り返し、長距離歩行が困難になる間歇性跛行です。安静にしている時には、症状は強くないことが多いです。

代表的な症状としまして

  • ・長い距離を続けて歩くことができない
  • ・背筋を伸ばして立つ・歩くときに、太ももや膝から下にしびれや痛みがある
  • ・歩くと症状が悪化し、休むと痛みがやわらぐ
  • ・前かがみになる姿勢をとると症状がやわらぐ
    上記の症状があれば、一度ご相談ください。

原因

原因の多くは加齢に伴う組織の変性によるものです。すべり症や椎間板ヘルニアなどの病気に続いて発症することがあります。加齢、仕事、または背骨の病気による影響で変形した椎間板と、背骨や椎間関節から突出した骨などにより、神経が圧迫されます。脊柱管は背骨、椎間板、関節、黄色靱帯などで囲まれた脊髄の神経が通るトンネルです。年をとると背骨が変形したり、椎間板が膨らんだり、黄色靱帯が厚くなって神経の通る脊柱管が狭くなり、それによって神経が圧迫を受け、神経の循環が悪くなり脊柱管狭窄症が発症します。

治療方法

保存的療法としては、コルセットの装着と、鎮痛消炎剤の投与が一般的です。神経の血流を改善することでしびれや痛みを軽快します。他に温熱療法、けん引などの理学療法や、神経ブロックなどの治療を併用することもあります。状況に応じて、トレーニングやストレッチ、筋力訓練などのリハビリテーションを行います。保存療法でも効果が得られず、日常生活に支障をきたしたり、筋力の低下や排泄障害といった症状が現れた場合は、手術による治療を検討する場合もあります。

腰部脊柱管狭窄症に関するQ&A

●日常生活での注意点はありますか?
1日に数回程度、30分を目安にあおむけの状態で腰と膝を曲げる姿勢をとるなどして、腰の神経への負担をやわらげましょう。腰をまっすぐ伸ばしたり、後ろに反らしたりしないように日頃から注意することも大切です。歩くときはやや前屈みで歩くよう心がけます。高いところの作業は台に乗って行うようにします。

●腰部脊柱管狭窄症はどこを鍛えればいいですか?
体幹のインナーマッスル(腹横筋・多裂筋・横隔膜など)を鍛える運動です。 腹筋に力を入れることで腹圧が高まり、脊柱への負担が軽減し痛みやしびれが減少します。

・ひさしたかし・整形外科・クリニック 大川院

診療科目

整形外科・一般外傷・骨粗鬆症治療・リウマチ科
スポーツ整形外科・交通事故治療
・リハビリテーション科・漢方治療・プラセンタ注射
(プラセンタ注射は自由診療になります 費用:1アンプル 1,100円(税込) 2アンプル 1,650円(税込) 3アンプル 2,200円(税込))

住  所

〒831-0033 福岡県大川市大字幡保157 (ツルハドラッグ2F)

電  話

0944-87-5539

診療時間

9:00~18:00(12:30~13:30は受付時間外/日祝休診)

※土曜日の午後診療が14:30からとなります。
※午前中は8時50分、午後は13時50分より受付いたします。
学会等の都合により、診療医師や時間が変更になる場合があります。

診療スケジュール